迷惑なアイドルファンに見る「理想の押し付け」の醜さ

2013年8月 7日(水) 04:23 | アイドル

今日アイドリング!!!の握手会があって、メンバーの後藤郁さんが、客に何か言われて泣いてしまったそうです。
ファンとして強い怒りを感じるのと同時に、とても悲しい気持ちになります。
僕が知る限りでは、後藤さんはほかのメンバーのファンの恨みを買うようなことは一切していませんし、今回の握手会でも後藤さんの対応が悪かったという話は出てきていません。後藤さんが泣くほど叩かれるような理由は見当たりません。
握手会での後藤さんの行動や言動に、その客にとって「だけ」気に入らないことがあったのでしょうか。

詳細がわからないので想像するしかありませんが、きっと後藤さんを泣かせた客は後藤さんが好きなのではなくて、後藤さんを鏡として、そこに自分自身の姿を見ていただけではないか、と考えます。
自分の理想をアイドルに投影して、その理想どおりに動くアイドルを求めているだけ。もしアイドルが自分の理想と違う行動を取ったら、相手は「鏡」にすぎないから、容赦なく叩き割る。
これってDVと構造が同じですね。

アイドルは生身の人間です。アイドルはファンの期待に応えようと日々がんばっていますが、常にファンの理想どおりにふるまうなんて無理です。
たとえば髪型を変えた。メイクを変えた。それがあるファンにとっては気に入らない、理想から外れた行為だとして、じゃあそれをファンという立場で泣くまで責めたりしてもいいのでしょうか。
「いい」と思った人は、アイドルのファンを続けたところでいずれ裏切られるし、自分だけが「裏切り」と感じたことを根拠にアイドルを傷つけたりすれば、アイドルだけでなく一般のファンにも嫌われ、現場に居場所がなくなって嫌な思いをするだけので、早くやめた方がいい。もっと言うと、アイドルに限らず生身の人間とはあまり関わらない方がいい。なるべく人と関わらずにすむような生き方を模索した方がいい。

大半のアイドルファンは、アイドルを「思考と感情を持つ人間」だと認識し、接しています。ファンは相手の気持ちを想像し、相手が嫌がることをせず、できれば喜ぶことをしようと、特に意識せずに行動できます。相手がアイドルじゃなくても、たとえば友達や会社の同僚、取引先、あるいはコンビニの店員さんなど、自分と関わる人すべてを「思考と感情を持つ人間」だと認識します。
そういう認識に立てば、自分の理想を相手に押し付けるという発想は生まれません。「こういうふうにしてくれたらいいな」と相手に期待することはあっても、その期待が外れたところでたいして腹は立ちませんし、必要なら相手の行動に自分を合わせることもできます。どうしても嫌なら「関わらない」という方法も選べます。
理想の押し付けが度を過ぎれば、相手の思考や感情を否定することになります。思考や感情を否定されたら、普通の人はどう感じるでしょうか。それが感覚として理解できない人は、アイドルから離れた方がおたがい幸せになれると思います。

コメントを投稿

※サーバーの状況によって、投稿完了まで時間がかかることがあります。
※投稿内容がすぐに反映されないことがありますが、ページを再読み込みするとコメントが表示されます。
※入力したURLは公開されますが、メールアドレスは公開されません(管理者に対してのみ通知されます)。