舞台裏で苦しんでるシーンをあえて見せないということ

2012年9月18日(火) 02:40 | アイドル

きのうフジテレビONEで放送された「アイドリング!!!」の特番は、フジテレビの夏のイベント「お台場合衆国」のライブに挑むアイドリング!!!に密着したドキュメンタリー仕立ての内容でした。
ライブの舞台裏のドキュメントといえば、よくあるのは「うまく歌えなくてスタッフに怒られて、メンバーが悔し涙を流した」だの「極度の疲労でメンバーが倒れた」だのメンバーが苦しむ場面をさんざん見せておいて、最後はメンバーが団結してライブを成功させて涙を流すという感動物語ですけど、アイドリング!!!は決してそんなことはしません。テレビに映っていたのは、最初から最後までメンバーの笑顔でした。
お台場合衆国SP
この日記でたびたび「アイドリング!!!」というテレビ番組について語っていますが、かれこれ4年以上にわたって同じ番組を見ていて、いまだに飽きることがない理由は、ひとことで言うと「期待を裏切らないから」です。
ここで強調したいのは、「期待を裏切らない」というのは、決して「番組がお約束どおりに進んでいく」という意味ではないということ。番組やイベントの内容がこちらの想像や期待とは違う方向に転がることは少なくないですし、むしろ「お約束」を足蹴にして新たな笑いを追求するのがMCのバカリズム升野さんの芸風です。僕たち視聴者も、そんな「お約束からの逸脱」をいつも期待していたりします。
じゃあ何が「期待を裏切らない」のか。それは、すべての企画が「笑い」という方向を向いているということです。それだけはどんな場所でも徹底されてきました。メンバーの卒業ライブでさえも、感動の涙とともに必ず笑いがありました。

個人的に、誰かがつらい目にあっているところ、悲しんでいるところを見るのは好きではありません。たとえ苦しみや悲しみの先に成功があったとしても、苦しんでいるという時点で目を背けてしまいます。苦しみの中にも笑いがないと、見てるこっちまで救われない気持ちになってしまうのです。
だから、大きな会場でのライブの舞台裏や、中心メンバーが卒業を控えたライブで、ひたすら涙と感動を前面に押し出すような見せ方は苦手です。苦難を乗り切ったメンバーはすごいと思うけど、それを見たところでとても幸せな気持ちにはなれません。

アイドリングのドキュメンタリーは、見事なまでにそうした感動物語とは対極にあるものでした。るかえで(橋本さんと倉田さん)の無茶ぶりに振り回される後藤さんのおかしさとか、赤タイツではしゃぐ尾島さんとか、見ていて楽しい気分になりました。
お台場合衆国SPまいぷる
だいたい、番組が始まって最初の映像がリーダー遠藤さんのこの顔ですから。リーダーらしく真剣な表情で夏に向けての意気込みを語るでもなく、寝起きのぼーっとした顔で「今日はですね、合衆国ステージですねー」なんて、いつも以上に低いテンションで話すまいぷる。演者がこういう姿勢だから、視聴者や観客も安心して、まったりとした気分でアイドリングの番組やライブを見られるわけです。演じる側が緊張の糸が張り詰めた状態だと、見てる方も疲れちゃいますから、これくらいがちょうどいいのです。

おそらく実際は、テレビで見るような楽しい場面ばかりではなかったはずです。今年の夏は暑かったですから体調を崩したメンバーもいましたし、お台場合衆国の期間中にはTOKYO IDOL FESTIVALもあり、その準備だけでもかなりハードだったはず。先輩メンバーは慣れない5期生の面倒を見なければならず、その一方でそれぞれの個人仕事もこなしているわけですから、この夏はみんなものすごいストレスと疲れがたまっていたはずです。裏側では「歌がうまく歌えなかった」と落ち込むメンバーもいただろうし、スタッフに厳しいことを言われることもあっただろうし、メンバー同士の衝突もゼロではなかっただろうし、本当はいろいろな苦労があったと思われます。
でも、テレビではそれをほとんど見せない。本当ならば存在していたはずのメンバーの苦悩を覆い隠して、楽しそうなところだけを見せていました。
僕は、その姿勢を支持します。

ファンの中には、メンバーが必死になってがんばっている姿や、真剣なところを見たい人もいるかもしれませんし、当のメンバーも「これだけ必死にがんばったってことを、もっとみんなに知ってほしい」と思っているかもしれません。でも、それを押し出しすぎると、どうしても湿っぽくなってしまいます。最近ももクロが人気を集めているのも、あれだけハードなステージをこなしながら、湿っぽさを感じさせないところだと思います。
感動物語はほかのグループで間に合っています。アイドリングにはこれまでと同じように、何より笑うことが大好きな僕みたいな客層に向けて、どんなときでも笑いを追求してほしいと思います。

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