AKB48の選抜総選挙を見て思ったこと

2012年6月 8日(金) 00:22 | アイドル

AKB48の選抜総選挙は、YouTubeでリアルタイムで見ていました。
大島優子さん、1位だけど票数は去年よりずいぶん少なかったんですね。去年の総選挙でどんな競争意識が働いて、今回の総選挙では働かなかったのか。いろいろと考えさせられる結果です。
指原さんついに4位に来ましたか。これで「ゆび祭り」にも箔が付くってもんです。あみみやあみたやももちやかなこぉから大スター扱いされるさっしーの姿が見てみたいです。
意外なのは、まゆゆ以外の尾木勢が奮わなかったこと。小嶋さんが7位にとどまったり、らぶたんやはるごんが大きく順位を落としたり。週刊AKBで大きく取り上げられた野中さんの圏外も意外でした。一方で、去年苦戦したホリプロ勢の中で河西さんが順位を上げたのは、なんかうれしかったです。河西さんには変な逆境に負けずがんばってほしいです。
チーム4も厳しかったですね。市川さんも大場さんも50位台。島田さんにいたっては圏外でした。島ちゃんのがさつなキャラ大好きなんだけどな。唯一アンダーガールズに食い込んだ23位の島崎さん、どうしてひとりだけ飛び抜けた順位なんだろう。確かにかわいいと思うし、個人的には好きなんだけど。
あと、36位のなかやんはコメントがとても素敵だったので、応援したくなりました。

今回1位の大島優子さんも、前回1位の前田敦子さんも、「AKBにすべてを賭けている」という思いが言葉の端々から伝わってきます。その思いがいちばん強いのが、今回も順位を上げて泣き崩れた横山由依さんでしょうか。
AKB(やSKEやNMBやHKT)に人生のすべてを賭けてます、という強烈な思いが人々の心とお金を動かして、そういう思いをあまりアピールしなかった人は総選挙で順位が伸びなかったように見えます。前年より順位を上げたSKEの松井珠理奈さん、NMBの山本さんと渡辺さんのコメントも、見ていて胸が苦しくなるような内容でした。
10代の女の子がここまで自分自身を追い詰める姿が「感動」を呼んで、それがビッグビジネスになっている、つまり「大きな需要がある」という現実に思いをはせると、なんだかもやもやした気持ちになりました。

そうしたコメントと異なる印象を受けたのが、今回順位を下げた大家志津香さんと増田有華さんでした。しーちゃんは「バラエティで生きていきたい」と明言し、ゆったんは女優と歌手で成功したいという個人としての夢を語っていました。どちらもAKBの活動とは直接関係がない、ひとりの芸能人としての活動です。あの場でこういうことを言えるのはえらいと思うし、今まで以上にこのふたりを応援したくなりました。
だからといって、このふたりがAKBの活動で手を抜いているかといえば決してそんなことはないはずだし、そのことはファンがいちばんよく知っているはずです。

うがった見方かもしれませんが、「AKBにいるときだけはAKBの仕事を全力でがんばるけど、個人仕事やプライベートは別」という考え方が一部のファンにはなじまず、それが増田さんの支持が伸びない理由のひとつではないかと思っています。どこかの市長が職員の入れ墨の有無による差別を公然と口にしてみたり、別の市長が職員に対して外での飲酒をやめろと言ったりしても、「バカじゃねーのこいつら」という反応があまり見られないのが不思議だと思っているのですが、どうやらこれが日本人のマジョリティなんですよね。初対面で真っ先に職業とか会社名を尋ねる合コンでのやり取りや、犯罪の報道で容疑者の勤務先をいちいち公表するマスコミに垣間見える、個人より組織が優先される風潮。どこかの組織に帰属していないと不安で耐えられない人たちの、組織への帰属意識の強さイコール人間としての価値の高さであってほしい、そういう風潮を維持させてほしいと願う声なき叫び。
公務員に対してプライベートの部分にまで「品行方正さ」を押しつけたがる日本人のように、ステージ上やテレビに映っていないところでも、AKBのメンバーに「24時間365日AKBであること」を求めるファンが一定数いる。運営もそれに極力応えようとして、「Google+」などでメンバーに情報発信の頻度を増やすように仕向けて、しかもそれを競わせるために「ぐぐたす選抜」のような仕掛けを用意したりもする。
本来の目的は、単純にファンとの接点を増やして、AKB系グループや個々のメンバーに対するロイヤルティを高めることだと思うのですが、結果として「メンバーを四六時中AKBに縛っておきたい」という一部のファンのニーズを満たすためのツールになってしまっているような気がします。そこから逸脱した行動を取ったメンバーが速攻で解雇された今年1月の事件を思い出すと、「(一部の)ファンがAKBに対して何を求めているか」がなんとなく見えてくるし、今回の総選挙の結果からもそういう傾向が見てとれます。

自分は部外者なので、そうしたファンのニーズに対して運営が応えようとする姿について、あるいは自ら進んで「24時間AKBでいること」を引き受けているメンバーに対しては何も言えません。でも一部のメンバーにとっては、常にAKBでいることを強いられたり、AKBにすべてを賭けているメンバーと比較されるのはつらいだろうなぁと思います。いくらステージ上で高いパフォーマンスを発揮しても、それ以外の関係ないところでファンの支持を失ってしまうとしたら、本当に気の毒です。

個人的には、アイドルが悩み苦しむ姿とか、悔しくて泣いたりする姿はあまり見たくありません。
総選挙での順位発表後のコメントで、笑いを取っているメンバーは数えるほどしかいませんでした。票数という「ファンの金銭的な出資」を背負っているために、あの場でふざけたことは言いにくいのでしょう。リアル選挙で当選した政治家以上にまじめなコメントばかりでした。いつでもどこでも貪欲に笑いを取りに行くアイドルグループを見慣れている僕にとっては、ぜんぜん笑いが起きないのは異様な光景でした。

向上心をむき出しにして、身を削って努力をする姿に価値を見出す人。とにかくおもしろさや楽しさを優先したい人。受け手にも人それぞれの価値観があります。どちらが正しいアイドルの鑑賞法なのかという話ではないし、両方の要素を楽しんでいる人もいると思います。
僕は「所属するアイドルグループでの活動にすべてを賭けていない」「四六時中アイドルでいるわけではなく、プライベートもそれなりに楽しんでいる」という人の方が好きだし、応援したくなります。必死に努力してはい上がろうとする姿より、みんなで仲良くきゃあきゃあ騒いでいる姿が見たいのです。
最近、アイドリングの森田涼花さんがグループを卒業しました。ドラマや舞台などの仕事が忙しく、グループの活動にあまり参加できなかったすぅちゃんが、ファンやメンバーにあれだけ愛されたのは、メンバーに「アイドリングにすべてを賭けているわけではない」もしくは「自分はアイドリングにすべてを賭けているけど、そうじゃないメンバーの考えも尊重する」という意識があり、ファンもそれを支持しているからです。「アイドリングを差し置いてドラマを優先するようなメンバーは応援しない」という声より、「番組やライブで見られないのはさびしいけど、個人仕事をがんばってほしい」という声の方が多かったのです。

「組織への帰属意識の強さ」より「組織と個人との適切な距離感」を支持するファンが増えるような世の中になれば、今の日本を覆ういろいろな息苦しさが少しはましになるのではないか、フランスみたいな個人主義が日本にも根付けばいいのに、という無駄にスケールの大きな願望で今回の話を締めたいと思います。

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