何か間違ってると思う

2009年2月19日(木) 03:38 | 日記

日曜日にこんなことがあったなんて、知りませんでした。

京大生、大麻所持で逮捕=「クラブでもらった。吸ったことも」-大阪府警

ポケットに大麻を所持していたとして、大阪府警南署は15日までに、大麻取締法違反の現行犯で、京都大法学部2年谷口将隆容疑者(20)=京都市東山区=を逮捕した。容疑を認め、「自分で吸うつもりで持っていた。3カ月前にも吸ったことがある」と話しているという。
(中略)
谷口容疑者は「クラブで会えばあいさつする程度の顔見知りの男性からもらった」と話しており、同署は入手先などを調べる。

(時事ドットコム)

大麻を吸ったのが、たまたま京都大学の学生だった。それだけの話です。
はっぴいえんどの鈴木茂氏も捕まってしまうような世の中で、一般の成人男性が大麻所持で捕まることは、それほど驚くような話ではありません。
そもそも京大なんて、1学年に4000人近くいるような大きな大学。中には犯罪に手を染める人が出てくるのも無理はありません。

さて、問題はこの後です。

京大、大麻事件で陳謝 防止対策を説明

大麻取締法違反(所持)容疑で京都大法学部2年谷口将隆容疑者(20)が逮捕されたことを受け、京大は16日、西村周三理事・副学長、初宿正典法学研究科長らが会見して謝罪し、今後の防止対策を説明した。
京大はこの日、大阪府警南署に教員と職員を派遣、警察から谷口容疑者が大麻所持と過去の吸引を認めているとの説明を受けた。法学研究科に調査委員会を設置し、本人から話を聞いて処分を検討する。
また緊急の部局長会議を開き、薬物乱用の禁止を求める通知文を作成して全学部生と全大学院生の約2万3000人に教員から電話などで直接知らせる「ローラー作戦」を行うことを決めた。新入生に対しても入学ガイダンスでカルト団体への注意などとともに薬物乱用の危険性を説明する。
谷口容疑者について初宿研究科長は「サークルなどに登録していないが、単位もそれなりに取っている普通の学生。法を学ぶ学生の逮捕を非常に重く受けとめている」と謝罪した。西村理事は「これまでの注意喚起では不十分だった。学生の意識の変化があり、課外の指導教育を徹底したい」と話した。

(京都新聞)

正直、あきれました。
どうして大学が謝らなきゃいけないわけ?
今回の事件は大阪のクラブで起きたこと。大学およびその関係者は、事件には一切関与していない。それなのになぜ、大学の副学長が謝罪会見を行う必要があるのか。
それに、「薬物乱用の危険性を説明する」のはけっこうですが、教員が学生に対して個別に電話するとか、そこまでする義理は全くないでしょう。どれだけの手間と時間とコストがかかるか、想像するだけで気が遠くなりますよ。

重ねて書きますが、この事件は「一般の成人男性が民間の施設で大麻を吸った」というだけのこと。その男性が所属していた組織からは目の届かない、全く無関係のところで起きたのは誰の目にも明らかなのに、なぜかその組織が責任の一端を負わされるうえ、「再発防止」という100%不可能なことまで強いられてしまう。
これが大学の敷地内ならともかく、大学とはまるっきり関係ないところで起きる犯罪を、どうやったら大学が「未然に防ぐ」ことができるのでしょうか。
本音では、副学長だって「そんなもん知るか!大学とは関係ないだろ!」と言いたかったはずですよ。間違いなく。

この前の、元力士の若麒麟の一件もそうです。相撲部屋から離れたプライベートで起きたことに、どうして親方や相撲協会がいちいち謝る必要があったのか。
もちろん、相撲協会にとって力士の逮捕は大きなイメージダウンになるので、興行の成功やスポンサー確保のために、何かしらアピールをする必要はあったんでしょうけど。

ただ僕は、これらの事件への大学や相撲協会の対応より、それを望んでいる社会こそが本当に気持ち悪いと思う。
若麒麟のときには、相撲協会の体質を批判するような的外れな意見が大勢を占めていました。そりゃ確かに相撲協会は、稽古と称したリンチで「職場での勤務中に」死者を出したうえ、それを隠蔽しようとするような腐った組織ですが、少なくとも若麒麟の一件に限れば、協会はひとつとして責められるべきところはありませんでした。それなのになぜ、文科省までしゃしゃり出てくるのでしょうか。理解に苦しみます。

このことから読み取れるのは、日本には「組織が構成員のプライベートまで監視し、干渉するという権利や義務を与えること」に対して抵抗感がないどころか、むしろそれを望んでいる人が少なくないようだ、ということです。
「責任が与えられるべきではない人に責任が押しつけられる」という状況は、どちらの当事者にとっても嫌なものだと思うんですけどね。そんな状況を許容する風潮が僕には全く理解できないし、何か得体の知れない不気味さを感じます。

それにしても、京都大学は敷地内に中核派のアジトがあったりして、かなりアナーキーな大学だったんですけどねぇ。その京大があんなくだらない対応を取ったことに、卒業生のひとりとしてがっかりした次第です。

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