桐生一高出場は当然の結論

2008年8月 1日(金) 01:18 | 日記

ネットで見かけた時事通信の記事です。

桐生第一高、甲子園出場へ=高野連、1日に判断-野球部員逮捕

全国高校野球選手権大会(甲子園球場)に群馬県代表として出場が決まっていた私立桐生第一高校の2年生野球部員1人が強制わいせつ容疑で群馬県警太田署に逮捕された問題で、日本高校野球連盟の西岡宏堂審議委員長は31日、出場を直ちに差し止める必要はない、との判断を示した。1日の全国理事会で最終的な措置を決めるが、同校も出場を希望しており、認められる方向だ。
同委員長は「行為は重いが、事件に関与したのは部員1人。最近、同様の例で対外試合を差し止めたことはない」と話した。野球部員の強制わいせつ事件は一昨年に兵庫、栃木、富山3県であったが、対外試合禁止処分にはなっていない。
桐生第一の高橋昇校長は同日夕、学校で記者会見し「参加させていただけるならありがたい」と語った上で、日本高野連の判断に従う考えを示した。同校はこれに先立ち、野球部責任教諭が日本高野連を訪れ、事件を報告。教諭は「現在分かっている範囲の報告をした。選手は動揺している。」と話した。
桐生第一は昨年まで春夏の甲子園大会に11度出場し、1999年夏に全国優勝している。

むしろこの件で、桐生一高の出場辞退を望む人間が存在することがおかしいと思う。

事件を起こした高校生は確かに野球部員だったが、事件そのものは野球部の活動とは全く関係のないところで起きた。学校や野球部顧問が事件の発生を未然に防ぐことができたはずはないし、そもそも学校や部活動の外での生徒の行動に関与する権限は学校にはありません。学校が関与できる範囲の外で起きた事件である以上、学校や野球部、まして野球部の他の部員に責任は皆無です。
こんな当たり前のことが理解できない人間が少なからずいることに、憤りを通り越して、危機感すら覚えます。

「桐生一高は甲子園を辞退すべきだ」「高野連は桐生一高の参加を取り消すべきだ」と考えている人間は、なぜそういうふうに考えるのか。あるいは、なぜそう考えることに疑問を持たないのか。
高校あるいは野球部を、「子供を育てることに対して社会的な責任を持つ場所」と見なしているのではないか。
本来ならば家庭がその現場であるはずの「教育」を、高校という義務教育ですらない場所に押しつけたまま知らん顔をしている、無責任な人間なのではないか。
そんなふうに思えてなりません。

これと似たような経緯で、センバツ出場を辞退した駒大苫小牧のことを過去にこの日記で書きました。
自分の意見はすべてここに書いてありますので、ぜひご一読ください。

駒大苫小牧のセンバツ出場辞退に思う

高野連も、この2年半で少しは学習したようですね。
野球部が出場を辞退しなければいけないほどの不祥事とは、野球部としての活動が社会通念上好ましくない場合、たとえば対外試合で暴力事件を起こしたとか、そういった例に限られると思います。あるいは、学校そのものが不祥事を起こした場合。野球部の部員をお金でかき集めたことが発覚したとか。
だけど、ひとりの部員が学校から離れた場所で起こした犯罪については、罪に問われるのはあくまで個人。学校や野球部は事件に何ひとつ関わっていないのだから、他の部員が甲子園に出ることは全く問題がない。そんな当たり前なことを、高野連も理解したようです。

最終決定は明日なので予断を許しませんが、現時点での報道では、桐生一高は予定通り出場できるようです。
事件を起こした人間以外の部員は何も悪いことをしていないので、胸を張ってプレイしてほしいと思います。

コメント

被害者の気持ちを考えたことがありますか?

考えたうえで書いているつもりです。
卑劣な犯人を免責したいという考えは全くないですし、犯罪者として相応の社会的制裁が加えられるべきだと考えます。

でも、たとえば自分が路上で高校生にいきなり襲われたとして、後でその高校生が甲子園に出場する野球部の部員だったと分かっても、その高校生個人に対してはいくら憎んでも憎み切れませんが、だからといって野球部を憎むことはありません。
ただし、中には個人のプライベートな犯罪に対して、その個人が属するパブリックな組織全体を憎む人もいると思います。そうした感情にも配慮すべきかどうかは意見の分かれるところであり、自分は「そこまで配慮する必要はない」という立場です。

ひとつ付け加えるならば、野球部の監督および部員は、犯罪者をかばうような言葉は決して口にしてはいけない。あくまで「犯罪者は許さない」という態度を貫くべきです。当事者ではないとしても、そのくらいの配慮はあってしかるべきだと考えます。
ただ「再発防止に努める」などと言ってしまうと、野球部が当事者であるかのような印象を与え、被害者の感情を害することになります。そもそも一介の野球部に「部員がプライベートで起こす犯罪」を防ぐ能力も権限もあるはずがないので、そこまで責任は持てないし、持ってはいけない。
その意味で、今回の校長や高野連のコメントは、報道で見る限りですが、適切だったと思います。

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