タミフルと日興コーディアル

2007年3月31日(土) 03:59 | 日記

「絶対的な権力は絶対的に腐敗する」という言葉は太古の昔からあるわけで、未来永劫変わることのない教訓として、今後も幾度となくこの言葉を噛みしめることになるんだろうな。

以下、読売新聞のニュースより引用します。

インフルエンザ治療薬「タミフル」と異常行動の関連について調べている厚生労働省研究班の主任研究者、横田俊平・横浜市立大教授らが、タミフル輸入販売元「中外製薬」から寄付金を受けていた問題で、厚労省の担当者は事前に、寄付を受けることについて横田教授から相談を受けていたことが30日、明らかになった。

ジャーナリストの立花隆さんが「第二の薬害エイズとなる可能性がある」と書いていましたが、ここまでの事実関係を見ると、確かにそう疑いたくなるようなことが次々と明るみに出ています。
真相については事実関係をさらに追及しなければ結論は出せませんが、こういう事件の場合、たいてい「誰が得をするか」ということを考えれば、わりと容易に全体像が見えてきます。
タミフルの認可を早めて、得をするのは誰か。
あってはならない事故が多発しているのに、対策が遅れているのはなぜか。対策が早まると、損をするのは誰か。
先のニュースは、その答えに迫る重要なヒントを与えてくれました。
現時点ではあくまで推測の域を出ないものの、癒着の構図がくっきりと浮かび上がってきます。
名古屋の地下鉄の談合もひどい話ですが、こっちは人命に関わることですからね。もし中外製薬の誰かと厚労省の誰かが得をするため、あるいは損をしないために、尊い命が失われたとしたら。残された方たちの無念は計り知れません。

ライブドアの幹部が捕まって、日興コーディアル証券は上場維持。テレビの報道を見ている限り、「実は日興のしたことってそれほど悪くないのでは。ライブドアはひどいけど」というイメージ作りは、今のところ成功しているようです。
ほとんどのテレビ局がこのような姿勢を取り続けているのは、テレビ局うんぬんより、むしろ金融業界と広告代理店の癒着のためでしょう。D社にしろH社にしろ、ライブドアと日興コーディアル、どちらが金になるクライアントかといえば答えは明らかです。
広告代理店の仕事は、テレビ局にCMを出すことだけではありません。新聞や雑誌の広告はもちろん、証券会社であれば商品の販売用資料の制作だったり、セミナーやイベントの企画や運営だったり、ありとあらゆるところに広告代理店がからんでいます。ご存じの通り、景気回復で最も恩恵を受けた業種のひとつが金融です。もし日興コーディアルが上場廃止ということになれば、大きな金づるを失うことになり、広告代理店にとっても大打撃です。
これ以上企業イメージが悪くなることは避けなければいけない。シティグループが日興を買収するとしても同じことです。だから、D社やH社はテレビ局を利用して、「日興はそれほど悪いことをしていない」というイメージを視聴者に植え付けるわけです。テレビ局としても、自身の生命線である広告収入を握る立場である広告代理店に逆らうわけにはいきません。
また、広告代理店のバックには自民党がいるとも言われています。政権与党からの圧力も、広告代理店を通せばテレビ局には効果てきめんというわけです。
まあ、半分は僕の想像ですが。

とはいえ、経済を司る立場の大手証券会社が粉飾決済をするなんて、単なる「一部の社員が勝手にやったこと」ではすまされる問題であるはずはないわけで。少なくとも、新興市場を一時的に荒らしただけの新興企業と同列に語るべきではありません。
どちらにせよ、悪いのは誰で、責任を取るのは誰なのかをはっきりさせることは最低条件でしょう。もし本当に粉飾決算が「会社ぐるみ」ではなかったとしても、どこかに必ず実行責任者がいるわけですから、その人がしかるべき社会的制裁を受けるべきでしょう。堀江さんや宮内さんのように。

先ほどのタミフルの例より複雑ですが、この件でも「粉飾決算をすることで、誰が一番得をするのか」「粉飾決算をしなかったために株価が下がったら、誰が損をするのか」「上場廃止で最も痛い目にあうのは誰か」「上場維持で助かるのは誰か」を考えれば、粉飾決算の本当の目的が見えてくるでしょう。そして、それを暴くのがマスコミの仕事です。
でも、どうやら今回の件では、テレビ局までが及び腰になっているみたいです。
それでも、誰かが事実をひとつひとつ暴いて、責任の所在と責任者を明確にしたうえで、しかるべき人間がしかるべき報いを受けなければいけないと思います。
もし、このまま日興コーディアル事件が何もなく終わってしまったら、日本の民主主義もかなり危機的な状況に来ていると思うべきです。

「絶対的な権力は絶対的に腐敗する」と言います。
今は景気拡大期ということもあり、権力側が大きな力を握っています。
「権力」とは「金」のことに他なりません。金持ちがますます偉くなる世の中で、すでにあちこちで腐敗が露呈しています。この腐敗を見過ごして、目先の利益だけを追い求めたら、取り返しのつかないことになるような気がします。
それに加えて、僕ら市民はあまりにも無知です。本来なら、ひとりひとりが権力を監視し、腐敗を起こさないよう常に緊張感を与えることが必要なのですが、日本人の忙しさは不況の頃と全く変わっていないので、もはやそんなことを考えている余裕がないんですよね。

今のままでいろいろなことが進んでいくと、近いうちにこの国は、本当に大変なことになりはしないか。時々、そんなことを考えたりします。
東京都の皆さん、今度の知事選挙では、いろいろなことを総合的にじっくり考えてから投票しましょう。

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