「勢い」が足りなかったことを後悔する方が、勢いで突き進んで後悔することよりましではないかと思ってみる

2007年1月15日(月) 02:00 | 日記

少し前にあった殺人事件。外資系金融機関に勤める男を、その妻が殺したあげく、死体を切断して廃棄しました。事件の特異性にワイドショーでも連日特集が組まれたようです。僕はひとつも見ていないので、詳しいことは知りませんが。
新聞やニュースの報道以上のことは知らないし、何が事実なのかを調べる方法もないので、誰がどこまで悪いのかなど、僕が無責任に語れることではありません。
ただひとつ明らかなのは、この人たちはそもそも結婚すべきではなかった。
結婚さえしなければ、こんな結果にはならなかった。

ところで、結婚には「勢い」が必要です。
おたがい好きだと思っていても、いざ結婚となると及び腰になりがちです。自分も経験がありますが、ただ法律上で「夫婦」となるだけのことなのに、どうしてこんなに臆病になってしまうのでしょうか。
理由は人それぞれでしょう。だけど、たとえば「同棲」から「結婚」へと移行するだけのことであっても、そこには何かしら覚悟というか、何かを吹っ切ることは必要です。おたがいの人間関係だったり、きっかけだったり、タイミングだったり、いろいろな要素がぴたりと合った瞬間に、おたがいに「勢い」みたいなものがあって初めて実現するのが「結婚」というイベントです。少なくとも僕にとってはそうです。
だけど、場合によっては「勢い」が強過ぎるために、人間関係やタイミングのすれ違いなどをすっ飛ばして、いきなり結婚へと到達することがあります。そうやって成功する例も確かにありますが、失敗することも多いです。自分の周りでも、離婚を経験して、大変な思いをした人は何人もいます。
結婚していないカップルが別れるのも大変なのに、一度結婚した夫婦が離婚するのは、ものすごく大きなエネルギーが必要です。僕は結婚も離婚もしたことがないので実感としては分かりませんが、なんとなく想像はできます。また、想像できるからこそ、結婚というイベントに対して人一倍臆病になっていたりするわけですが…。

勢いが間違った方向に向かっていたのにも関わらず、軌道修正がされぬまま、結婚まで突っ走ってしまった。しかし、その相手は、実は両者にとって最悪な人間だった。
殺した人にとっても、殺された人にとっても、ある意味では起きるべくして起きた事件といえるかもしれません。そもそも第三者が未然に防ぐことなんて不可能だったわけだし、死を避ける方法は「離婚」しかなかったわけですから。
しかし、離婚によって膨大なエネルギーを消費することより、妻にとっては夫を殺す方が楽だったのでしょう。おたがいがおたがいを不幸にしかしない人間と結婚してしまった、大きな過ちが生んだ悲劇です。
タイトルに書いたのはそういうことです。勢いがつき過ぎて取り返しのつかないことになるより、勢いが足りなくて物事を成し遂げられなかったことの方が、同じ後悔をする場合でも、結果的にはいいのではないか。
ただ、こんな側面もあります。勢いに任せて行動を起こせば、その失敗から多くのことを学べます。おそらく、同じ過ちは二度と繰り返さないでしょう。しかし、臆病になって何も行動を起こさなければ、そこからは何も得られない。果たして、どちらがいいのか。
僕は、こと結婚というテーマに絞って考えれば、後者を選んだ方がいいのではないかと思っています。結婚は当事者だけの問題ではなかったりします。結婚する時は否応なしに周りの関係者を巻き込むことになりますし、離婚もまた同様。もし間違った結婚をして、その後に離婚することになったとしたら、二度も人様に迷惑をかけることになります。自分たちだけ嫌な思いをすればすむという問題ではありません。
まして結婚後に子供が生まれたりしたら、場合によっては子供の人生に大きなトラウマを残すことになります。

こうやっていろいろ考えると、どうしても臆病になるしかないんですよね。自分はこの先ずっと、相手を傷つけずにいられるか? それ以前に、自分自身が幸せでいられるのか? 仕事で原稿を書くのが遅くて、日曜の昼から夜まで会社にひとりでいるような能力が低い奴に何ができるのか? ゲーセンのクイズゲームで、みんなが読める漢字を読めずに、ひとりだけ脱落してしまうような頭の悪い奴に何ができるのか? いろいろ考え出したら本当にきりがありません。
ただ、こんなふうに何もかも後ろ向きに考えるような人間は、たくさんの人を巻き込む「結婚」というイベントには向いていないという自覚があることは、僕にとってたったひとつの救いではないかと思っています。自分が成長できない代わりに、当事者以外の誰かに迷惑をかけることはないですから。
付き合うのも結婚するのもおたがいの責任においてすることで、どちらがいいとか悪いとか、責任を取るとか取らないとかはありません。男の方が「俺がすべて悪い」なんて言ったら、それは男の思い上がり以外の何物でもありません。あくまでフィフティフィフティの関係です。
そのあたりまで自覚したうえで、その50%の責任を背負えるだけの人間になれたと、自信が持てるようになるのはいつの日か。その前に相手がいないんだから、いろいろ考えたところで仕方がないと、自分自身に悲しい突っ込みを入れながら、酔った勢いで日記を書き殴る日曜深夜の僕です。

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