「強奪」とか「強行指名」とか、どうしてそんな表現になるのかねぇ

2006年9月27日(水) 02:50 | 日記

ボビー強奪!大嶺悲劇浪人も…高校生ドラフト会議(報知)
ボビーマジックで大嶺を“強奪”(デイリー)

ネットのニュースを見ていたわけですよ。
月曜日の話になりますが、プロ野球のホークスとマリーンズがドラフト会議で大嶺氏という選手を指名、マリーンズが交渉権を獲得しました。
それがどうして、マリーンズが「強奪」だの「強行指名」になるんでしょうかねぇ?
ドラフト会議に、そんな概念ってありましたっけ?

両チームが大嶺氏を獲得したかったから、くじ引きになった。2分の1の確率でマリーンズが交渉権を得た。ドラフト会議の正常な手続きにのっとった、よくあるドラフト会議での光景です。
大嶺氏はホークスを希望していたようですが、なにせくじ引きですから、希望がかなわないのは仕方のないことです。
14年前、タイガースとジャイアンツとドラゴンズが松井秀喜を指名して、ジャイアンツが指名権を獲得しました。松井選手はタイガースに行きたかったそうです。
今回の事例もこの時と同じ、何度も繰り返されてきたドラフト会議のありふれた一場面に過ぎません。

「高校生がドラフト会議にかけられる場合は、どの球団が交渉権を持ってもいいという覚悟を持って臨むべき」ということを、周りの大人はちゃんと教えるべきでした。意中の球団に100%入団できる保証などあり得ないのが現行の制度。それを理解せず、野球部監督の「嘘」を信じた大嶺氏。むしろ、裏切られたのは彼自身で、裏切ったのは監督です。
もし彼がドラフト制度について正しく理解していれば、たとえば社会人に進むとか、別の道も考えられたかもしれない。そういった可能性を、無理解な大人がつぶしてしまったわけです。
野球部の監督は、彼に対して、過ちを素直に認めて詫びるべきです。

ドラフトの本質が、スポーツ紙の「強奪」などという見出しでぼかされてしまうことが、僕にはすっごく嫌なんですよね。
まず、ドラフト会議の前に、球団が高校生に「あいさつ」する義理はないでしょう。交渉権が決まったわけでもないのに。
ホークスと野球部監督の間に何があったのかは知りませんが、すべてはドラフト会議前のことであり、建前としては「まだ何もない」わけです。それを監督が「話が違う」なんて言ってしまうとは。そもそも「話」なんて最初からなかったと言われてしまえば、それでおしまい。
だから「強奪」という表現も間違っている。そもそも、まだ何も決定していない時点において、何から何を奪うのか? ホークスとマリーンズは対等の立場で、2分の1の確率でくじ引きに臨んだ。もし今回のマリーンズの行為を「強奪」と言うなら、ホークスが交渉権を獲得した場合も「強奪」になりますよね。

マスコミが面白おかしく、こんなゆがんだ報道をすることに腹が立ちます。どうせやるなら、ホークスと野球部監督の間に何があったのかを徹底追求してくれ。そうすることで初めて、ドラフトに似つかわしくない「強奪」という言葉が使えるわけです。
そうでなければ、ドラフト会議のルールから外れた論理を持ち出して、安っぽい人情ドラマを演出して悦に浸るような下品な真似はやめていただきたい。見苦しいですよ本当に。

でも、こんなことがあったからこそ、もし大嶺氏が千葉ロッテマリーンズで大活躍したら爽快なんだろうなぁ。
最後の最後で、信頼していた指導者に裏切られたショックは大きいと思います。この悲しみを乗り越えて、立派なピッチャーになってもらいたいと、僕より熱心にプロ野球を応援する人の多くが思っていることでしょう。

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コメント

全く同感です!

まぁまぁ、まだ「交渉権」なのでどうなるかわかりませんから。でも、もしホークスが取ったときは「強奪」とはいわないのでは?行きたかったチームですし。

そうですね。静かに行く末を見守りたいと思います。
ただ、指導者に恵まれなかった大嶺選手が気の毒でなりません。

「決して恵まれているといえない境遇の大嶺氏を小さな頃から育てた野球部監督」と、「高校卒業後の面倒を見ると言ってくれた球団」の関係を引き裂き、ようやく明るい光が見えた彼の人生を狂わせた、という意味でロッテが叩かれていて、だから「強奪」という表現が使われたのは分かりますが。
でも、これってドラフトというルールを無視した考え方ですよね。すべての球団に平等な権利を与えるのが、今のドラフト制度の仕組みですから。
野球というスポーツは、ルールが存在するからスポーツとして成り立つわけで、スポーツのことを伝える立場のマスコミがルールに立脚しない報道をするのはどうよ、と思ったわけです。
そして、ルールを正しく教えなかったために、弱冠17歳だか18歳の少年の心を傷つけた監督こそが断罪されるべきだと。

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