大人は広い視野で物事を楽しむべきである

2006年8月 4日(金) 01:41 | 日記

きのうの日記を書いた時には疑問に思わなかったのですが、言われてみると確かにそうだ。
どうして、平日だったんだろう。
視聴率が40%を超えたらしいですが、これが土曜か日曜だったらもう5%くらいは上がっていたはず。なのに、どうして週末に試合をしなかったのか。

その答えは、インターネットで検索すれば1分もかからずに分かってしまいます。
8月2日は、六代目山口組舎弟、英(はなぶさ)組の英五郎組長の誕生日だったんですね。
なんでも、英組長が例の兄弟のトレーナーである父親を世話しているみたいで。いわば、ものすごく大がかりな誕生日プレゼントということになります。
なんて分かりやすい構図なんだろう。

ただし、この事実をもって「暴力団けしからん」などと言うつもりは全くありません。
だって、格闘技なんてずっと前からそういうものだし。
猪木祭にまつわる黒い噂とか、DSE(PRIDEの興行主)の社長が亡くなった件とか、最近ではフジテレビがDSEに対して一方的に関係を絶ったこととか。
相撲なんかもそうですね。15年以上前に八百長疑惑が浮上した時に、渦中の関係者2人が同じ病院でほぼ同時に亡くなったことがありました。あれは不可解でした。
そんな大人でも分からない大人の事情ってやつが、リングの下にどーんと横たわっているわけです。
でも、そうやって達観して、ため息をつきながら「しょせん格闘技なんて汚れきってるよ」などと言うつもりもありません。

大人たるもの、そうしたもろもろの背景を含めて、楽しめるようにならなければいけません。
先進的なプロレスファンは、古くからそうした楽しみ方を体得しています。80年代に「プロレスは八百長だ」という非難が巻き起こり、プロレスが衰退してしまいましたが、それ以後のファンは、たとえばレスラーの生い立ちやレスラー同士のリング上以外での力関係、政治力なんかに注目しながら、それをリングの上でぶつける姿に熱くなったりします。心と体、そして頭でプロレスを観戦するわけです。

かつて、大槻ケンヂさんも言っていたような気がします。プロレスは「謎かけ」で、リングは謎かけの舞台。その答えはリングの中だけでなく、外にも転がっている。それを解き明かしたり、時には観戦者が勝手に「謎かけ」と「答え」を設定して、独自の物語を作ったりもする。プロレスとは、そんな想像力を喚起する仕掛けがいっぱいのエンターテインメントなのです。
ただ、その複雑さゆえに、なかなか理解してもらえない世界ではありますが。僕もプロレスは見ないですし。

その「謎かけ」の要素のひとつが、いわゆるヤクザの存在です。古くは力道山の事件から、現在は猪木祭やDSE。大きな金が動く興行には、必ずといっていいほど黒幕としてその存在があります。
格闘技界だけではなくて、芸能界もそうです。かつて、美空ひばりが山口組三代目・田岡一雄率いる芸能プロに所属していたことはよく知られていますし、最近では某大手芸能プロのバックに、山口組でも武闘派で知られる後藤組・後藤忠正組長の存在があるといわれています。

英組の英五郎組長は五代目時代の若頭補佐で、六代目体制になってからは盃直しにより「舎弟」となりました。もちろん今も山口組の中では有力な組長です。その組長に逆らってまで試合を週末にすることは、TBSでも電通でも無理だったんでしょうかねぇ。いや、無理というわけではなく、あえて英組長の意向に添ったのか。だとしたら、なぜか。
そして、あの試合。一度くらい負けても興行的に大きなダメージはないというか、負けを次の商売に結びつける方法くらい、TBSも広告代理店もいろいろな知恵がありそうなものですが、それでも勝たなければいけなかった理由は。あんなに非難されたのに、それでも勝ちを選んだのはなぜか。レコード大賞の放送日が12月30日になったこととの関係は。
いろいろな疑問、いろいろな謎が転がっています。
それを解き明かしていくことに楽しみを見いだすのが、大人の観戦術です。

ただ、他の格闘技ではともかく、ボクシングであの結果はいただけない。肝心な興行そのものの価値を落としてしまう。はっきり言えば、舞台装置の作り損ないです。TBSはあそこまでがんばったのに、最後で少しばかり詰めを誤りました。結果的に高視聴率を叩き出しましたが、次につながらない内容でした。やはり、もっと弱い対戦相手を用意すべきでした。
リングそのものがエンターテインメント性を失ってしまったら、誰もその行間を読まなくなる。誰も謎解きをしなくなる。ライトなファンだけでなく、次第にコアなファンも離れていってしまいます。
TBSには、次回こそ抜け目のない舞台をセッティングしていただきたいところです。

今回、英組長の件が明るみに出た(とはいえ、テレビにも新聞にも載っていないことなので、知っている人はかなり少ないと思いますが)ことで、みんながヤクザのこと、山口組のことについて理解を深めればいいと思います。
これまでは「暴力団」と聞いただけで「あんな非合法組織、さっさと潰せばいいのに」と思うだけで、暴力団に指定されている団体、あるいはその構成員の中身については詳しく知らない人が大半です。でも、少しくらいはヤクザのことを知っておいてもいいんじゃないかな、と思います。ヤクザはマフィアとか蛇頭に比べたらよっぽど健全な団体ですよ。そもそも、トップや幹部の顔写真が一般の雑誌に出るなんて、犯罪組織ではあり得ないことですから。

ところで今日、高校野球の組み合わせが決まったとかで、スポーツニュースに丸刈りの野球部員が映っていましたが、その顔を見てとっさに亀田興毅を思い出しました。
彼らの共通点は、きっと丸刈りの頭だけではないのでしょう。

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