節分の巻き寿司と昔のバイトの話

2006年2月 4日(土) 02:35 | 日記

2月3日は節分でした。
節分といえば豆まきです。
子供の頃は「鬼は外、福は内」のかけ声とともに豆をホイホイと投げたものです。

節分といえば、もうひとつ有名な風習があります。
僕はその風習の存在を、高校生の頃は知りませんでした。
大学に進学して京都へ行き、その風習を初めて知りました。
「巻き寿司の丸かじり」です。
恵方と呼ばれる方角に向かって、巻き寿司を切らずにそのまま食べる。そんな風習が、関西に存在しました。

大学2年の時に始めたバイトが、祇園のかに料理専門店での調理補助。僕の担当は「かに寿司」を作ることでした。
かに寿司はコースの最後に出される料理です。巻き寿司やズワイガニをネタにした寿司、あるいはかに味噌の軍艦巻き。それらを作って、客室のフロアに渡すのが僕の仕事でした。
巻き寿司の「太巻き」はのりの上にシャリを乗せ、タラバガニの身を酢とマヨネーズであえて作った具を乗せ、キュウリと卵を乗せて、それを巻きます。9等分、あるいは10等分に切り、コースによって1/9を3個、あるいは1/10を5個皿に盛りつけて、ガリを乗せればできあがり。それほど難しい仕事ではありません。
時々、お客さんから持ち帰り用の太巻き寿司の注文があります。9等分した巻き寿司を、専用の箱に詰めて渡します。持ち帰り用の巻き寿司は、確か1本1200円だったと思います。
実は巻き寿司って、巻くことより切ることの方が難しかったりします。直線的に切るのが非常に難しいです。皆さんも暇があったら一度試してみてください。普通の包丁だと意外に切れません。刃先を水に濡らせば切りやすくなります。

太巻き寿司を毎日せっせと作っていた僕は、やがて京都で二度目の節分を迎えます。
バイト先の店では、昼間から外で太巻き寿司を販売していました。当時のバイト先は、僕が住んでいたマンションの真向かいにあったので、店の様子が嫌でも分かりました。
バイトは夕方から。予想通り、いつもよりよけいに太巻き寿司を巻くことになりました。ただ普段と違うのは、寿司を切らないこと。節分の巻き寿司はあくまで「丸かぶり」が基本なので、切ることはタブーです。
とにかく巻いて、巻いて、巻きまくりました。
でも切る作業がなかった分、それほど面倒くさくはありませんでした。
太巻き寿司は、それなりに売れたようです。

それにしても、長いままの巻き寿司なんて食べるの大変に決まってるのに。
バレンタインデーのチョコと同じく、寿司業界が仕掛けたイベント。どうしてみんな、揃いも揃って乗せられるのかねぇ。何が「今年の恵方は東北東」なんだか。
淡々と巻き寿司を作りながら、そんなことを考えていました。

バイトは、大学3年になる直前に辞めました。

大学を卒業して、愛知県に戻ってきました。
しばらくすると、また節分の季節がやってきました。
そこで見たものは、京都と同じ「巻き寿司」の宣伝でした。
関西ローカルの風習が、まさか愛知にまで広まっていたとは。

東京に来て、初めての節分を迎えました。やっぱり、コンビニでは巻き寿司が売られています。関西から名古屋に広まった風習は、当然東京まで伝播します。
でも実際のところ、東京での巻き寿司の売り上げはどうなんでしょうかねぇ。あんまり売れてないような気がしますが…。

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