そのイメージ画像は誰のため?

2013年6月 7日(金) 01:35 | 日記

半年くらい前から、インターネットを見ていてどうにも気になることがあります。
個人のブログやニュース系サイトなんかでよく見る、「記事のタイトルのすぐ下にある大きな画像」です。
記事のスペースの端から端までを占拠する横長の画像。ただし内容にはほとんど関係なし。ラーメンを食べたという記事にラーメンの写真を載せるとかそういうのではなく、たとえば「○○を△△する5つの方法」みたいなビジネス関連のハウツーものの記事の冒頭に、「オフィス街で思案しているスーツ姿のビジネスマン」みたいな写真素材を載せるようなやつです。

別にその写真があることで記事への理解が深まることもないし、写真がなければ記事の内容を理解しにくいこともない。存在する意義がない画像です。はっきり言うと、目障りでしかありません。
記事に興味があって、記事の中身を読みたいからサイトにアクセスしたのに、タイトルの下に無駄な画像があるせいで、いちいちマウスのホイールをぐりぐり回すか、ブラウザーの端のスクロールバーを下に動かさないと記事を読み進めることができない。これってけっこうなストレスです。
これがたとえばギリシャを旅行したという記事で、タイトルの下にでかでかと載っている画像が「筆者が撮影したパルテノン神殿の写真」だったら、画像が記事の内容と一致しているからいいわけです。このサイトでも、沖縄へ行ったときには沖縄の風景や食べ物の写真を載せますし、アイドルのライブを見に行ったときはライブ会場やグッズの写真を載せています。記事の内容を補完する写真や、記事の内容そのものを表す写真は、読者にとっても意味のあるもののはずです。
そうじゃない写真や画像の存在は、文章を読む際の妨げにならないレベルの大きさであれば別にいいのですが、いちいち画面をスクロールしないとやり過ごせないくらいのレベルになってしまうと、正直言ってうざいと感じてしまいます。自分のサイトに大きなイメージ画像を載せている人たちの中で、「読者に不便を強いている」ということを自覚できている人はどれくらいいるのでしょうか。せっかくいい記事を書いたとしても、無駄な画像1枚のせいで、一見さんに嫌な思いをさせるのはもったいないことです。
僕が気にしすぎなのかもしれませんが、同じように感じている人はそれなりにいるんじゃないかと思います。

もちろん、あの手の画像を載せるサイトの運営者が、目的があってそうしてることは理解しています。
facebookやはてなブックマークなどの外部サイトで記事が紹介されるときに、記事のタイトルやサマリーとともにその画像が載るようにするためです。
ブログを構築するためのWordPressというソフトがあって、その中に「アイキャッチ画像」という機能があります。「アイキャッチ画像」に画像ファイルを登録すると、タイトルの真下にその画像が載るのと同時に、他のサイトで紹介されるときに画像が表示されるようになるそうです。無料ブログサービスでも、同様の機能を備えているものが増えているようです。この機能の存在が、いわゆるアイキャッチ画像をウェブの世界に蔓延させてしまった原因の一端になっていると思われます。
他のページでサイトが紹介されるときに、文字だけより画像があった方が目を引くしアクセスを集めやすいというのはわかります。しかし、肝心のサイト上で記事と関係ない画像を見せられて、読者はうれしいと思うでしょうか。僕は「あえて記事を読みにくくする、読者に対する筆者の配慮のなさ」に思いがめぐってしまって、どうにもいい心地がしません。まだバナー広告の方がましです。広告は「サイトを通じておこづかいを稼ぐ」という、ある意味で前向きなわかりやすい意図があるから、邪魔だとは思うけど嫌な気分にはなりません。

でもWordPressであれば、facebookとかで好きな画像を表示させつつ、自分のサイトにはその画像を表示させないってことも簡単にできるはずなんですよね。あるいは、画像を小さくして文字を横に回り込ませるなり、画像を記事の下の方に配置させるなりすれば、少なくとも「スクロールしなければ記事を読み始められない」という事態は回避できます。
個人のサイトで何をしようと個人の自由ですが、「他人のサイトで自分の記事を目立たせたい」という目的のために、サイトの可読性を犠牲にするのはもったいないことです。

もしかしたら、「記事を読みやすくするための配慮」のつもりでイメージ画像を載せている人もいるかもしれません。実際に、そういう意味のことを書いているウェブデザイナー向けの記事も目にします。「文字ばかりだと読みにくいから、画像があった方がいい」「イメージ画像は読者の興味を引き立たせる」みたいなことがもっともらしく書かれています。でもそれはたぶん嘘です。
確かに雑誌のような紙媒体なら、ページが文字で埋め尽くされていると圧迫感がありますし、イメージ写真を効果的に配置しながら文字と写真とスペースのバランスをうまく取ることは、記事の可読性を高めることにつながります。しかし、「判型」の概念がなく、基本的に「上から下へスクロールさせながら読み進める」という制約から逃れられないウェブでは、意味のないオブジェクトで画面の大半を覆うのは、ユーザビリティーを損なわせるだけです。記事の冒頭を読むのに、紙媒体なら視点の移動だけですむところを、マウスやキーボードの操作という物理的な手間を強いられるわけですから。
ウェブサイトに限って言えば、意味のない画像をでかでかと載せるくらいなら、文字だけの記事の方が断然読みやすいし、読者に対して親切だと思います。
もう少し突っ込んで言うと、イメージ画像じゃなくてタイトルや見出しにこだわってほしい。どうでもいい写真を素材集から引っ張ってくる暇があったら、よりわかりやすく、より読者の興味をひくタイトルを考えた方がずっと効果的だし、それこそが読者に配慮するということだと思います。

WordPressを使うってことは自分で何かしらのサーバーを管理してるってことだから、インターネットのリテラシーはかなり高いはずなんですけど、「読者がどのように感じるか」という「人の気持ち」に対するリテラシーが高いとは限らないってことでしょうかね。
でも、その手のイメージ画像を使っているサイトの多くは、実に読みやすいデザインなんですよ。文字も大きいし行間も広めに取ってあるし、1行あたりの文字数が多すぎることもない。色づかいもきれい。ただひとつ、記事の本文を覆い隠すように鎮座する巨大なイメージ画像だけが邪魔。本当に残念です。あれさえなければ完璧なのに。

ここまで長々と愚痴を書いてきましたが、実のところは僕が勝手に「読者」なんていう大きな主語に託してものを言ってるのが間違いで、「読者」とひとくくりにできるほどにはイメージ画像を不快に思う人は多くないのかもしれません。でも、あの風習がなくなると、インターネットはもっと快適になると思うんですよね。

トラックバック

トラックバックURL: http://folky.saloon.jp/mt/mt-tbc.cgi/2809

コメントを投稿

※サーバーの状況によって、投稿完了まで時間がかかることがあります。
※投稿内容がすぐに反映されないことがありますが、ページを再読み込みするとコメントが表示されます。
※入力したURLは公開されますが、メールアドレスは公開されません(管理者に対してのみ通知されます)。