アイドリング!!!5期生ドッキリの感想

2012年4月 6日(金) 00:53 | アイドル

アイドリング5期生ドッキリ
演者たちが口をそろえて「神回」と評したきのうの「アイドリング!!!」。過去850回以上のレギュラー放送の中で、おそらく放送前にここまで持ち上げられた例はなかったはず。どんなにすごい内容なのかと僕も期待に胸を躍らせたわけですが、「想定の範囲内のおもしろさ」で終わった、というのが率直な感想です。

内容は「リハーサルで変な空気になったとき、5期生はどんな反応を示すか?」。初めてCS本放送の収録に臨む5期生の子どもたちを、悪い大人がよってたかってびびらせて泣かすという、アイドル史上類を見ない極悪非道としか言いようがない企画。メンバーの親御さんが見たらフジテレビに怒鳴り込んでいいレベルです。
役割分担
企画に先立ち、各メンバーに対して「変な空気」を作るための役割が与えられました。「面倒くさい」「二日酔い」「ホームシック」「天狗」などアイドルにあるまじき設定を背負わされた状態で偽のリハーサルが進み、最後には1期生と2期生が言い争いをして、場の空気がめちゃくちゃになるというシナリオです。
この設定にしたがって「変な空気のリハーサルのリハーサル」をしたのが前回の放送。その時点ですでにおもしろかったので、ここに5期生が加わるとどうなっちゃうんだろうと期待がふくらみます。
アイドリングは特殊な訓練を受けた芸能人です。この手のドッキリ企画における安定感、信頼感は他のアイドルの追随を許しません。これまで4年近く番組を見続けてきたファンとして、バラエティ番組「アイドリング!!!」の演者としてのアイドリング!!!に、僕は全幅の信頼を置いています。
あみみとまいぷる
一方で、安定感と信頼感はバラエティ番組においては諸刃の剣でもあります。うまくいくことが予想できるから、結末まで想像できてしまうわけです。行きすぎた安定性は、バラエティにおいては「マンネリ」というマイナス要因となります。
マンネリを打破するために必要なのは、安定性の対極にある「意外性」です。予定調和の流れの中で意外性がものすごい爆発力を生むことは、「アイドリング大相撲」における大川藍さんの涙が証明しています。
今回の企画で「爆発力」を求めるとすれば5期生のリアクションですが、さすがにアイドリングに入って間もない彼女たちにそこまで求めるのは酷な話です。最年少の30号清久レイアさんが、初代最年少キャラの4号江渡万里彩さんを超えるような泣き芸を見せるとか、29号玉川来夢さんがリーダー遠藤舞さんのようにまったく泣かずにガハハハハと笑い飛ばしてみせるとか、そんな展開を期待してしまった僕は汚れた大人です。
ドッキリ直後の様子
アイドリングという飢えた狼の群れに放り込まれたか弱き子羊たちは、狼たちが望んだとおりの涙と表情を浮かべ、我々ひねくれた視聴者を笑いの渦に巻き込んでくれました。確かにバラエティとしては大正解です。番組内でMCのバカリズム升野さんや森本アナが「演技がうますぎる」と絶賛したように、企画の完成度としては非常に高く、グループとしてのチームワークのよさを見せつけた、これまで5年半の歴史を積み上げてきたアイドリングの集大成と呼んでもいいクオリティでした。
しかし、おそらくコアなファンなら期待したであろう、大人たちの汚れた想像力をあざ笑うような急展開は見られませんでした。アイドリングは「現在進行形で成長しているアイドル」の姿を楽しむ「アイドル育成番組」です。完璧で隙のない企画より、ぐだぐだでどうしようもない姿を見てニヤニヤするのが通のたしなみです。
出来不出来が100%演者の腕で決まるような難しい企画を立派にやり遂げた、誇り高きアイドル戦国時代の侍たち。ファンとしてその成長ぶりに目を細める一方で、企画趣旨とは外れたところで驚きや突っ込みどころを与えてくれる事件がなかったことに、一抹の寂しさを感じてしまいました。

今回メインの仕掛け人となった菊地亜美さん。実は、過去に似たようなドッキリ企画の仕掛け人を務めたことがありました。
うきうき!MIXガール
その番組は、今から1年半ほど前に放送されたつくばテレビの「うきうき!MIXガール」。9nineの佐武宇綺さんがMCを務め、レプロ所属の女の子とともにぐだぐだなトークや企画を繰り広げるという番組でした。アイドリング以上に低予算かつゆるい番組で、出演者も視聴者もそんな雰囲気を楽しんでいたのですが、ある収録で突然、あみみが豹変して怒り出しました。
いつもと同じような雰囲気で収録が進められるものの、どことなくあみみは不満げで、スタッフもぴりぴりしている。収録の合間の休憩時間、控え室でMCのうっきーに対して「おもしろくない」「こんなんじゃ番組が成り立たない」「アイドリングだったらあり得ない」など容赦なくダメ出しするあみみ。共演者のちゃあぽん(9nineの西脇彩華さん)や内田理央さんも同調して「変な空気」を作ります。
控え室
あみみとうっきーはほぼ同期で仲がいいのですが、それだけに普段は決して見せないあみみの迫力が怖かったのでしょう。うっきーはついに泣き出してしまいました。ここで理央ちゃんがネタばらししてドッキリ大成功。まさに今回のアイドリングのドッキリと同じ流れです。
ドッキリ成功
このときのあみみの演技もうまかったんですよね。仲のいいちゃあぽんがドン引きするくらいですから。僕はこれを見ていたから、アイドリングのドッキリでも絶対にうまくやると確信していました。
それにしても、升野さんも驚いてましたけど、あのリアリティはどこから出てくるんだろう。ドラマなんかの演技ではけっこう大根なのに。
カレーを食べる野元さん
今回のドッキリではメンバーひとりひとりに細かな設定が与えられ、各自ひっそりとその役割を演じていました。ただ、あまりにもいろいろ詰め込みすぎたせいか、多くのメンバーがほとんど触れられないまま、テレビにもあまり映らず終わってしまいました。
MC役のあみみも「どうやってまいぷるさんとケンカするのか」で頭がいっぱいだったのと、リハーサル中なのに寝てる長野さんや黙々とカレーを食べてる野元さん、必死でメイクしてる後藤さんを見たら笑いをこらえられなくなりそうだったので、他のメンバーに振りたくてもなかなか振れなかったのでしょう。ホームシックという設定の酒井さんがちょいちょい「実家の話とかないの?」「お母さんとは仲いいの?」みたいな質問を小声でぶっこんでくるから、それだけでも笑いをこらえるのがたいへんだったと思います。最後にちらっと映った後藤さんのメイクがめちゃめちゃ濃かったのがなんともマヌケでした。
惜しかったのは、横山ルリカさんが目立つ機会がなかったこと。何かあるとマネージャーを叱り飛ばすような「天狗アイドル」という設定でしたが、あみみが自分の持ち場に集中していたためか、横山さんに話を振ることはほとんどありませんでした。彼女のこういう演技は抜群にうまいうえ、設定も妙にリアルだから、ぜひ見てみたかったんですけどね。

ひとりひとりの個性がどぎついからこそ期待も高くなるわけで、だからこそ「あのキャラをここで生かせなかったのは残念だった」という感想が出てくるわけです。
アイドリングにはメンバーの数だけ引き出しがあって、何かのきっかけでその引き出しがひっくり返されると、思いがけないものがばんばん飛び出します。今回のあみみの「嫌な先輩キャラ」は、朝日さんと大川さんの泣き芸、るかえで(橋本楓さんと倉田瑠夏さんの元最年少コンビ)の天然猛毒キャラと並ぶ鉄板ネタとなりました。もっとも、次にこのキャラがどこで生かされるかといえば、それこそ「6期生ドッキリ」まで待たなければいけないんでしょうけど。
5期生をなぐさめる先輩
それ以前に「リハーサルで先輩が新人に対してきつく当たる」「やる気がない後輩を先輩が注意して、後輩が逆ギレする」という光景がドッキリの題材になりうるという事実を支える前提条件に思いをはせたり、ネタばらしの直後に見せた5期生たち、特に高橋胡桃さんの安堵の表情と、それを受けてのあみみの涙を見たりすると、やっぱり1期生から4期生までみんないい子たちなんだなぁ、と思わずにいられません。5期生も先輩たちを見習って、立派なアイドリングの一員になってほしいと思いました。
企画そのものは冒頭で書いたように「想定の範囲内のおもしろさ」でしたが、その一方でアイドリングの懐の深さをあらためて感じさせてくれた回でした。

トラックバック

トラックバックURL: http://folky.saloon.jp/mt/mt-tbc.cgi/2612

コメントを投稿

※サーバーの状況によって、投稿完了まで時間がかかることがあります。
※投稿内容がすぐに反映されないことがありますが、ページを再読み込みするとコメントが表示されます。
※入力したURLは公開されますが、メールアドレスは公開されません(管理者に対してのみ通知されます)。