バラーズのコンサート

2008年10月 6日(月) 03:19 | フォーク

1968年に結成し、1970年に解散。そんな基本的なことすら知りませんでした。
当時の曲は4曲だけ知っていますが、写真も映像も見たことがなく、もちろん生で見たことなんてあるはずもなく、どんな人たちがあの歌を歌っていたのか、ずっと気になっていました。
そんなバラーズが歌っているところを、まさか生で見ることができるとは。

先日の日記にも書いたとおり、土曜日は京都のKBSホールへ、バラーズのコンサートを見に行きました。
会場には数百人のお客さん。客層は7割が女性で、世代的にはリアルタイムで当時のフォークを見ていた人がほとんど。周りを見回してみても、僕のような30歳そこそこの若者はいません。30代ですら、僕を含めて10人程度だったと思います。
女性の多さには驚きました。当日のパンフレットにも書いてありましたが、当時は女性のフォークグループ自体がきわめて珍しく、もっとも当時じゃなくても珍しいわけですが、どちらかというと男臭い関西フォークの世界において、たいへん貴重な存在でした。当時の女性ファンは高石友也や岡林信康のような骨太な歌より、五つの赤い風船のようなやさしい歌の方が好きだったのかもしれない。フー子さんと西岡たかしさんのハーモニーもいいけれど、女の子3人のハーモニーはもっときれいだからと、活動期間は短かったけれど、バラーズにはたくさんのファンがいたのかもしれませんね。

午後2時、開演。司会の方から、年齢順にメンバーが紹介されます。
最初は「ひーちゃん」こと岡本寿子さん。続いて「おつるさん」こと福中いづみさん。最後に、先日還暦を迎えたばかりという「みーちゃん」こと平岩美佐子さんは、和服姿で登場しました。
初めて見たバラーズの3人。岡本さんと平岩さんが姉妹であることも初めて知りました。
多くのお客さんは、彼女たちの40年前と今の姿を比べながら、それぞれの40年間の人生を振り返ったりしていたと思いますが、僕にはそうした人生の蓄積はありません。そんな僕でもコンサートを楽しめるかどうか少し不安になりましたが、そんな不安は杞憂に終わりました。

バラーズが歌い始めました。
CDで何度も聴いた美しいハーモニーと、心に響く言葉たち。
彼女たちは、40年も前からこんなことをしていたのか。

「フォーク」というと、おそらくほとんどの人が「30年以上前の懐メロ」というとらえ方をしていると思います。確かに、一面だけ取ってみるとそうでしょう。昔の歌だけ歌っていれば、それは懐メロに違いありません。
でも、こうして今でも新しい歌が生まれている。40年前と同じように、新しい歌を歌い続ける人がいる。さまざまな思いを歌に乗せて、フォークは決して懐メロではありません。今も生きています。
バラーズの生きた歌は、たった30年そこそこしか生きていない僕の心にも響きました。こんな歌を、20歳そこそこで歌っていたなんて。
果たして今の20歳前後のミュージシャンに、これほどの表現力を持った人がどれくらいいるでしょうか。歌詞ひとつ取っても、ラブソングしか歌わない最近のミュージシャンと比べて、バラーズなど当時のフォークは、もっと幅広い、いろいろなことを歌詞にしています。もちろん、昔と今のミュージシャンでは表現手法が異なるし、最近の人たちの表現手法が僕の肌になじまないということもありますが、僕は昔の人たちの方が、最近のほとんどの若いミュージシャンよりいい歌を歌っていると思います。
バラーズを見て、フォークという音楽の力をあらためて知りました。

コンサートには、たくさんのゲストが出演しました。
藤村直樹さんは、かつてフォーク・キャンパースで歌っていたそうです。僕も知っている「ホーボーの子守歌」という曲を演奏しました。
それと同じステージで、ベースを演奏していたのが長野隆さん。五つの赤い風船のメンバーだった方です。風船のアルバムのジャケットで、背の高いひげを生やした人。まさにあのままのイメージでした。このあと登場する中川五郎さんと同い年だそうで、とすると長野さんは、まだ高校生の頃から風船に参加していたということでしょうか。すごいなぁ。

第2部の最初のゲストは中川五郎さん。今年5月に大阪で行われた「祝春一番」でも歌った「For a life」と、「イマジン」の日本語訳を歌いました。そういえば、五郎さんはバラーズより年下ということになるんですよね。もっと言えば、高田渡さんよりバラーズの方が年上。そう考えると、バラーズってものすごいベテランなんですよね。
続いては豊田勇造さん。名前は知っていたのですが、ちゃんと歌を聴いたのはたぶん初めて。テクニックと表現力の豊かなミュージシャンです。

最後は再びバラーズの3人がメイン。歌の前に、平岩さんが一言。
「武蔵野から来てくれた方がいます」
あ、呼ばれちゃった。
チケットを送っていただいたとき、お金を送るついでに簡単なメッセージをお送りしたのですが、そのことが紹介されて、うれしいやら恥ずかしいやら。僕を見て「若そうな方ですね」なんて言われてしまったり。みなさんの半分くらいの年齢でごめんなさい。
僕のほかにも、関東から何人か来ていたみたいです。大々的に告知をしていたわけでもなさそうなので、告知次第では、全国から1000人以上のお客さんを集められたかもしれませんね。

コンサートは3時間以上におよびました。
最後の曲は、最近出たばかりのアルバムのタイトル曲「想い溢れて」。関西フォーク全盛期に活躍してから何十年、いろいろなことを経験しながら今日まで生きてきたことを歌った曲です。
彼女たちと同じ年月を過ごしたわけでもない僕にも、胸に熱いものがこみあげてきました。

コメント

フォーキーさん

初めまして!
ゲストで出演していた
"Peaceful Wing" の末松と申します

バラーズを改めて検索していたら
このブログにたどり着いてしまいました (^_^;)

遠くから来られていたんですね?
ありがとうございました!

今年54歳になった僕も
出演していた仲間達の中では若手になれる嬉しいコンサートでした!(笑)

五郎さんとは34年ぶりに楽屋を共にしました
音楽で生活するのはなかなか大変なことですが
豊田君や五郎ちゃんとそれぞれに
「続けてきてよかったなぁ」と言葉を交わす素敵な時間でした

懐かしい仲間や友人と再会でき
こんな気持ちにさせてくれたバラーズの3人には本当に感謝

同じメンバーがメンバー・チェンジなく
健康で還暦と40周年を迎えられるというだけでも
「なんて偉大で素晴しい存在なんだ」と思います
共演者だけでなく
客席にも彼女たちのそんなパワーが
どれほどいっぱい伝わったことでしょうね♪

素晴しいコンサートでした

そうそう…近く長野さんとは
僕のライブハウスでのソロコンサートで
ご一緒する予定なんですよ!

フォーク・ミュージックというのは
例えばフォークルが日本民謡の「こきりこ節」を歌ったり
ラテンの「バンバ」を歌ったり
イムジン河のような朝鮮半島の音楽を取り上げたり
アイリッシュやブルーグラスのような演奏曲もあったり
果ては「オーブル街」のようなクラシックのような編成で演奏したり…と
あらゆるジャンルを包括しているのが魅力です

フォーク・ミュージックが色褪せないのは
時代を反映するのではなく
心に映し出された状況が歌われたりメロディになるからです

アイルランドに行くと
100 ~ 500 年も前の生き残ったアイルランド民謡が
今なおアグレッシブに様々なミュージシャンが演奏されているのも
同様にクラシックの曲でも人々が長く愛している音楽も
フォーク・ミュージックと呼んでいいものかもしれません

そういえばフォークル(ズートルビー)の「水虫のうた」は
ベートーヴェンの交響曲をつかって大成功しましたもんね (笑)

「よいものはよい」の精神こそ
フォークのワイドで奥の深い素晴しいところです

とうかよい音楽を
このブログを通じて多くの皆さんにお伝えくださいね!
?
"Peaceful Wing" 末松義密

>末松さま

はじめまして!
コメントに対するお返事が遅くなりまして、申し訳ございません。
出演されていた方からコメントをいただけるなんて、たいへん光栄に思います。

Peaceful Wingの皆さまは初めて拝見しました。素人の自分が言うのはおこがましいのですが、演奏がとてもうまくて、心の中にすーっと入っていく感じでした。

自分がこの年にしてフォークソングが好きなのは、おっしゃるように、言葉と楽器を媒介にして、いろんなことを伝えてくれる音楽だからだと思います。
昔の名曲が歌い継がれるのは、懐かしいからではなく、そのメッセージが時代を超えて人の心を動かす力があるからだと思っています。
表現の豊かさも魅力だと思います。昔ならフォークルもそうでしたし、五つの赤い風船もいろいろな楽器でいろいろな楽器を鳴らしていましたし(CDで聴いたことしかありませんが…)。
それぞれに共通するのは、思わず歌いたくなるような親しみやすいメロディ。自分もときどき自宅でギターを触って、歌ったりしています。

今後もこのサイトを通じて、フォークという「心の通った音楽」の素晴らしさを発信していけたらと思っています。
ありがとうございました。

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